2021年8月期 期末 ポエック株主コミュニティ PUEQU TIMES

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現在創業34期目。水と空気のプロ集団として社会インフラを支えています。

ポエックは、社会インフラを支える水と空気のプロフェッショナル集団です。
社名の由来は、「ポンプ装置の専門家」を意味する「ポンプ・イクイップメント・エキスパート(Pump Equipment Expert)」で、取締役相談役の釆女信二郎とともに、1989年に広島県福山市で創業しました。私と釆女はかつて同じポンプメーカーで一緒に働いていたので、ポンプに関する高い技術と豊富な経験を持つ仲間を集め、まさにポンプの専門家集団ということで始まりました。ピーク時には、ポンプメーカーのOBが15名ほどいました。

当初はポンプメーカーの製品の卸売りからスタートしましたが、積極的に事業の多角化を進め、現在はグループ会社と連携して、主に「環境・エネルギー事業」「動力・重機等事業」「防災・安全事業」に取り組んでいます。
グループ会社の「株式会社三和テスコ」と「東洋精機産業株式会社」は、主に船舶関連の部品製造などを行っています。「協立電機工業株式会社」は、電動機の修理・設置工事のプロ集団です。また、最近グループに加わった「株式会社マリンリバー」は、水産設備の設計・製造・施工を行うニッチトップ企業です。このほか、成長市場の投資先としてバイオ関連分野で、再生医療に活用できる乾燥羊膜の開発・製造・販売に取り組む「株式会社アムノス」があります。

新しい価値を提供する革新的な製品を開発・販売しています。

当社が扱っている製品の一部を紹介します。
まず、非常に画期的なのが、電気を使わないスプリンクラー消火装置「ナイアス」です。
一般的なポンプは電気でモーターを動かし、その力で水を送り出しますが、これは電気ではなく窒素ガスの圧力で水を送る、革新的なシステムを採用しています。この技術が多方面で高く評価されていて、南極昭和基地にも10基導入されているんですよ。

景観配慮型防潮壁「SEAWALL(シーウォール)」は、
津波や高潮から命を守ると同時に水辺の美しい景観も守る、新しいタイプの防潮壁です。こちらも多くの受注をいただいており、導入された地域の皆さまに喜ばれています。
また、2020年からは東北大学と共同研究を開始し、オゾンの力でさまざまなウイルスを不活性化する技術や装置の開発にも取り組んでいます。
ポエックの製品についてはこちら

常に考えているのは、事業を通じて社会に貢献すること。

当社は今年創業から34期目を迎えました。今も事業の主体はポンプ関連ではありますが、会社として大きく発展し、事業は非常に多岐にわたっています。そのため、「ポエックって、いったいどんな会社なの?」と、びっくりされることも多いですね。でも、我々はただやみくもに何にでも手を出しているわけではありません。また、儲かればよいと考えているわけでもない。どんな事業をやろうとも、常に考えているのは「事業を通じて社会に貢献すること」です。
例えば、先ほどお話しした「SEAWALL」。これは防潮壁ですが、壁の一部に透明なアクリル樹脂を使っているので視界が遮られないんです。だから、海が見える。海のそばで暮らす人にとって、きれいな海がいつも見えるということは、ものすごく大事なんですね。なので、それを実現して海が見える街の住民の皆さまに喜んでもらうことは、1つの社会貢献だと思っています。
我々の仕事が人や社会への貢献につながり、それが当社の利益にもつながって、社員が豊かになっていく。あらためて、いい商売をさせてもらっているなぁと思います。

積極的なM&Aが当社の成長エンジンです。さらに間口を広げ、事業を多角化していきたい。

創業34期目でここまで事業を多角化できた大きな要因は、積極的なM&A戦略です。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがありますよね。でも、我々はもっと事業の間口を広げていきたい。社会に貢献するような仕事ができるなら、20社でも30社でも、数は多ければ多いほどいい、一緒になってやっていきたいと思っているんですよ。
もちろん、中には伸び悩む会社も出てくるでしょう。そういう時はどうするか。もしグループ全体で10社あるなら、伸び悩む1社を他の9社で助けていけばよいと考えています。それを3、4年続けてみて、それでもダメならやり方を変え、そしてまた新しい会社を作ればいいんです。これは極端な例かもしれませんが、こういう形で会社はまだまだ成長できます。もっと色々な人に、社会に貢献できる。そんな思いで経営に取り組んでおります。

2021年はコロナ禍の影響を受けながらも増益を達成。社員一人ひとりのコスト意識と努力で生産性を高めました。

2021年8月期はコロナ禍の影響を受けながらも健闘し、営業利益ベースでは増益を達成することができました。最近は資材価格が上がりコスト面は厳しくなっていますが、だからといってその分をすぐに価格転嫁して、お客さまを困らせることはできませんよね。ですから、いかに生産性を上げ、利益率を高めていくかが大きな課題となってきます。
当社では、グループ会社も含めて社員一人ひとりがコストダウンを強く意識し、努力を続けています。例えば、これまで10分かかっていた作業を5分でできるようにする。工場の床に落ちているボルト1本も無駄にしない。そういった細かい工夫や努力の積み重ねで生産性を上げ、ひいては利益率の向上につながると考えています。逆に、落ちているボルトを誰も拾わないような、そんな会社には未来はありません。小さな部品1つから大事にしていけば、必然的に会社は成長すると私は考えています。

株主還元につきましては、2021年8月期で16期連続配当となります。少々無理をしてでも株主の皆さまに喜んでもらいたいという思いでやっていますので、これからも配当を継続し、配当性向50%を目指してまいります。

SDGsへの取り組みが加速する今こそ、多様な社会課題を解決できる我々の出番です。

2022年8月期についてもさらなる成長を目指しています。
成長を後押しする要因の1つは、世の中でSDGsへの取り組みが加速していることです。特に二酸化炭素の削減は多くの企業にとって重要課題ですから、電気を一切使わず二酸化炭素も出さない当社のスプリンクラー消火装置「ナイアス」は、これからどんどん拡大するチャンスがあると考えています。最近は、水素ステーションの冷却用設備としての受注も増えているんですよ。もともと冷却水の装置として使われることを想定して開発したわけではないので、まさに瓢箪から駒ですが、世の中が求めるものを我々が持っていたということですね。
また、日本は自然災害が多い国です。特に近年は水害が頻発していますから、全国の河川まで含めると、当社の防潮壁に対するニーズは大いにあると思っています。
我々が世の中のためにできることはたくさんある、いよいよ出番だ、という気持ちです。

経営者としてのモットーは「先用後利」。強いリーダーシップのもと、スピード感をもって果敢に挑戦していく会社であり続けたい。

経営者として私が大事にしていることは、「先用後利」です。
私の出身である富山の薬売りの言葉として有名ですが、「先にお客さまを喜ばせて、後から利益を得る」という考え方です。薬売りは各家庭を訪ね歩いて、最初に常備薬を置いていきます。この間、お代はもらいません。そして、数カ月ごとに薬を補充にやってくる。その時、お客さまが使った分だけ薬代を回収するわけです。要するに、まずお客さまを喜ばせることが大切なんですね。私はあなたのために一生懸命働きますよ、と先に相手に伝われば、相手が自分のことを嫌いになることはないと思います。 だから、人を大事にするということが、私の基本なんです。

また、会社を成長させるためには、常に社会の動きを探知し、発想を豊かにしておくことが大切です。そして、「こういうものがあれば絶対に世の中の人に喜ばれる」と思ったら、実現に向けて、スピード感をもって果敢に挑戦していく。これからも大きな夢をもって事業に取り組んでいきたいと思います。

さらなる成長を目指して誠実に事業に取り組む当社グループのこれからにご期待ください。

現状の株価が株主の皆さまの期待に十分沿えていない点につきましては、大変申し訳なく思っております。
これからも誠実に事業に取り組み、今年より来年、来年より再来年というようにさらなる飛躍を目指してまいります。
ぜひ、当社グループの成長を長い目で見て支援いただけますようお願い申し上げます。

代表取締役会長 来山 哲二

ポエックのあゆみ

1989年にポンプメーカーの
製品の卸売りとしてスタートして以来、
ポエックは技術力を通じてお客さまの問題を解決し、
社会に貢献してきました。
そのあゆみをご紹介します。
  • 1989/1

    五大販売株式会社を設立

    広島県福山市において五大販売株式会社(現ポエック株式会社)を設立

  • 1991/3

    ポエック株式会社に改称

    ポンプ装置の専門家を意味するポンプ・イクイップメント・エキスパート(Pump Equipment Expert)に由来

    ポエック株式会社ロゴ

    • 1992/5

      岡山営業所を開設

    • 1996/4

      本社物流倉庫が完成

    • 1997/5

      山尾産業株式会社より
      水処理部門営業権を譲受

      当社初のM&Aとして、山尾産業株式会社(広島県広島市)より水処理部門の営業権を譲り受け、ポンプ事業を強化

    • 広島営業所を開設

    • 1998/1

      「ナイアス」が一般財団法人
      日本消防設備安全センターの評定品として登録

    • 1999/5

      岡山物流倉庫が完成

    • 2000/9

      東京営業所を開設

    • 2001/3

      ISO9001取得

    • 2001/9

      松山営業所(現松山出張所)を開設

    • 2002/5

      「ナイアス」が第10回
      中国地域ニュービジネス大賞を受賞

      ナイアス
    • 2002/6

      株式会社オーゼットより営業権他を譲受、
      オゾン脱臭装置の販売開始

      株式会社オーゼット(長崎県大村市)から営業権、製造権、特許権を譲り受け、オゾン脱臭装置の販売を開始

    • 長崎営業所を開設

    • 2003/1

      「ナイアス」が第13回
      ニュービジネス大賞優秀賞を受賞

      ナイアス
    • 2003/3

      株式会社三和テスコをM&Aにより子会社化

      当社が企画・開発した製品の製造拠点とすることを目的として株式会社三和テスコ(香川県高松市)の全株式を取得し、当社100%出資の子会社化(現連結子会社)

      株式会社三和テスコ ロゴ

    • 2005/3

      福岡営業所を開設

    • 2006/3

      高圧力式細砂ろ過装置
      「環銘」を開発し製品化

      環銘
  • 2007/6

    バーテルス社製プレート&シェル熱交換器の
    国内独占製造販売権を取得

    子会社の株式会社三和テスコがフィンランドのバーテルス社製プレート&シェル熱交換器の国内独占製造販売権を取得

    • 2008/9

      東洋精機産業株式会社を
      M&Aにより子会社化

      当社グループにおける製造技術(精密機械加工及び熱処理技術)の補完目的で東洋精機産業株式会社(岡山県岡山市)の全株式を取得し、当社100%出資の子会社化(現連結子会社)

      東洋精機産業株式会社 ロゴ

    • 2009/8

      オガタ工業株式会社より
      水中撹拌機の営業権及び製造権を譲受

      オガタ工業株式会社(広島県福山市)より水中撹拌機の営業権及び製造権を譲り受け、撹拌機製造技術を取得しメーカー機能を強化

    • 2009/9

      「ナイアス」が一般財団法人日本消防設備安全センターの
      認定品として登録、以降7品番が順次認定

    • 2009/10

      成文株式会社より営業権を譲受

      成文株式会社(大阪府大阪市)より営業権を譲り受け、関西エリアでの営業を強化

    • 2009/11

      大阪営業所を開設

    • 2011/9

      名古屋営業所を開設

      高松出張所を開設

    • 2012/2

      「ナイアス」が第4回
      ものづくり日本大賞優秀賞を受賞

      ナイアス
    • 2012/4

      北陸出張所(現北陸営業所)を開設

    • 2012/11

      仙台営業所を開設

  • 2014/1

    株式会社アムノスを設立

    胎児由来の羊膜を再利用した医療機器(ハイパードライ羊膜)の開発及び事業化を推進するため、富山県富山市において、医療機器製造の許可を保有する株式会社TSS と当社により共同で株式会社アムノスを設立

    株式会社アムノス ロゴ

    • 2017/8

      アムノスが子会社から関連会社へ移行

  • 2017/11

    JASDAQ上場

    東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に株式を上場

    • 2019/5

      株式会社ミモトを
      M&Aにより連結子会社化

      当社連結子会社である株式会社三和テスコとのグループ内連携による効率的な経営及び相乗効果を期待して、株式会社ミモト(香川県坂出市)の全株式を取得し、当社100%出資の連結子会社化

    • 2019/12

      協立電機工業株式会社を
      M&Aにより連結子会社化

      機器メンテナンス・修理案件受注拡大の相乗効果を期待して、協立電機工業株式会社(神奈川県茅ケ崎市)の全株式を取得し、当社100%出資の連結子会社化

      協立電機工業株式会社 ロゴ

  • 2020/1

    株式会社三和テスコと株式会社ミモトを合併

    経営資源の集結・業務の効率化・生産拠点の相互活用・ノウハウの融合・現場に対する管理体制強化・コストダウン・受注機会の拡大などを目的として、連結子会社である株式会社三和テスコを存続会社、同じく連結子会社である株式会社ミモトを消滅会社とする吸収合併を実施

    • 2021/9

      株式会社マリンリバーを
      M&Aにより連結子会社化

      当社グループにおける製造面及び販売面での相乗効果を期待して、株式会社マリンリバー(福岡県糟屋郡)の全株式を取得し、当社100%出資の連結子会社化

      協立電機工業株式会社 ロゴ