近年、バイオマス発電所における火災が問題になっており、保管されている木質チップ等が発火に起因することがニュースとなっております。

 

そうした中、2023年12月にバイオマスの再資源化等の原材料となる木質チップを保管している倉庫(企業名非公表)で火災が発生し、当社製品である「ナイアス」が稼働し、初期消火の段階で短時間に鎮火させることができました。過去のバイオマス燃料となる木質チップの火災では鎮火まで4か月近くかかっている事例もありました。

今回は初期消火活動の重要性を改めて認識させられる事例であります。

 

弊社商品「ナイアス」は、スプリンクラー消火装置及び屋内消火栓装置として1998年に販売を開始し、2009年に一般社団法人日本消防設備安全センターの認定を受け、2023年12月末までに延べ1,000台、約50億円の出荷を達成しております。

「圧力水槽方式」の消火装置である「ナイアス」は窒素の圧力で送水する方式であるため、動力で送水する「ポンプ方式」と比較し、非常用電源設備が不要、可動部分が少なく故障等が少ない、設置工事が簡素、点検その他の維持コストが抑えられる、などの特徴を備えており、主に病院や社会福祉施設を中心に導入しております。

 

今回のようにバルブ切り替えにより、泡消火設備装置としても活用されております。

「ナイアス」はタンク内の水を窒素ガスで常時加圧しているため水の劣化が極めて少なく、東日本大震災の際には、火災にこそ遭遇しませんでしたが、タンク内の水をトイレ洗浄等の生活用水として使用することができました。
「ナイアス13t」については14,000ℓの保有水量があり、トイレ洗浄等の生活用水としても活用可能です。
さらに、水道管の使用ができない場合でも、電気を使用せずに臨時配管にて中層階への送水が可能です。

電気は1週間程度で復旧しますが、水道管の復旧には1-2か月かかることもあるため、「震災時はナイアスだ」とお客様から喜ばれております。

 

「ナイアス」につきましては、一般社団法人日本消防設備安全センターの認定であり、今回の能登半島地震の発生により、非常用水としても活用したいとのご相談や引き合いも増加しております。防災防火の視点でお役に立てる製品であるという自負の元、全社をあげて今後も製品の生産に取り組んでまいります。