2024年8月期 中間 ポエック株主コミュニティ PUEQU TIMES

ご挨拶

株主の皆様におかれましては日ごろより多大なるご高配を賜わり誠にありがとうございます。

イメージ

2024年8月期 第2四半期においては、消費者物価の緩やかな上昇に伴い個人消費の低迷がみられる一方、企業収益は改善傾向に推移し設備投資においても持ち直しの動きがみられ、国内景気は緩やかに回復している状況にあります。

一方、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクが存在するため、依然先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループにおきましては、環境・エネルギー事業及び動力・重機等事業に関連する市場環境では取引先の設備投資が引き続き活況な状況であったことから、これらの影響により両事業が業績を牽引して経営成績は好調に推移しました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高4,198百万円、営業利益364百万円、経常利益370百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は233百万円となりました。

第3四半期以降につきましても歩みを止めることなく着実に通期業績見通しを達成し、更なる成長を目指してまいります。

株主の皆さまにおかれましては、変わらぬご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

代表取締役会長 来山 哲二

連結業績ハイライト

売上高

グラフ

営業利益

グラフ

経常利益

グラフ

当期純利益

グラフ

インタビュー

水耕栽培農業。亜臨界水プラント。TorqueOn(トルクオン)。
2023年にこの3つの新事業をスタートした背景と現状の取り組み、
今後の展望について佐藤宏之経営企画部長に聞きしました。
3つの新事業で市場を開拓。既存事業の拡大も狙っていきます。

取締役 経営企画部長 松村 俊宏

ポエック株式会社
取締役 経営企画部長

佐藤 宏之

3つの新事業の同時公表

情報の適時開示の趣旨を踏まえ、同時に臨時株主総会で発表させていただきました。

当社は2023年7月の臨時株主総会で、開始時期、目的、規模が異なる3つの新事業を発表させていただきました。細かな経緯をご説明すれば、水耕栽培農業は2023年6月、ライツオファリングに関するお知らせの中で公表し、資金調達に関する情報と併せ、翌月の臨時株主総会で詳しくご説明となりました。また、同時期に亜臨界水プラントとTorqueOnについても公表可能な内容がございましたので、適時開示の趣旨を踏まえて3つ同時に発表となりました。

水耕栽培農業について

メロンの水耕栽培は当社のナノバブル技術を活用できる農業。そこから派生したレタスのLED栽培とともに実証実験を重ねています。

土を使わずに農作物を育てる水耕栽培農業に参入した理由は2つあります。1つはナノバブル技術を活用できることです。当社は『水と空気のプロフェッショナル集団』としてナノバブル技術を培い、磨き上げてきました。ナノバブルは1μm以下の超微細な気泡で、水中で長期間安定させることによって水中の溶存酸素を増やすことができます。また、作物の生育に必要な栄養素を効率的に集積・運搬することもできるという特徴もあります。つまり水耕栽培農業は、このナノバブルの特性を活かすことのできる事業なのです。

そしてもう1つが市場の将来性です。世界の水耕栽培農業の市場規模は2022年時点で約5兆6,000億円に達しており、2027年には10兆円近くになると言われています。年間の成長率は約19%。食糧自給率が40%に満たない日本では、人が生きる上で最低限必要な食料を確保する「食料安全保障」は最も重大な責務の1つです。限られたスペースで農作物を育てられる水耕栽培農業は将来、当社の重要な事業の1つになると考えて参入しました。

イメージ

参入にあたっては民間シンクタンクと連携し、富山県下新川郡朝日町に所有する8,000坪の工業用地でメロンの水耕栽培をスタートしました。現在実証実験を重ね成果を検証しています。

また、メロンの水耕栽培から派生した形で完全密閉型施設におけるレタスのLED栽培もスタートしました。これも産学連携で実験と成果の検証を進めております。LEDを使用し完全密閉型施設で栽培することで、無農薬かつ鮮度が長いレタスを育てることができるということが分かってきました。またLED光で植物に一定のストレスを加えることで植物自らが身を守るために抗酸化成分(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール)を蓄えるという作用を活用する農法にも着手しております。人工的に栄養素を加えるのではない、自然本来の栄養素が豊富に含まれた高機能野菜をまもなくお届けすることができるようになります。

亜臨界水プラント事業について

脱炭素社会の実現に貢献し、企業としての責任を果たしたい。「埋める」「燃やす」の日本で「分解」の概念を定着させ、市場を開拓します

水は高温・高圧領域(234℃・3MPa)において「亜臨界」という状態になります。この亜臨界における高速加水分解反応を利用して有機化合物を分子レベルで分解するのが亜臨界水プラント事業です。一般ごみはもちろんのこと、有害な重金属を無害化し、病原菌や細菌、ウィルスを分解するので産業・医療廃棄物を一般ごみと一緒に処理でき、飼育肥料として再利用することも可能です。亜臨界は新たな技術ではありませんが、作るのが非常に難しく、まだあまり普及していません。三和テスコが有する「溶接」「加工」「組立」の高い技術力が評価され、プラントの心臓部ともいえる高圧高温設備の初号機を受注いたしました。2024年度中の完成を目指して開発を進めています。

脱炭素社会の実現に貢献したい。それが、亜臨界水プラント事業に参入した最大の理由です。
廃棄物を含むごみの処理は「埋める」「燃やす」「切断する」の3択ですが、国土面積の狭い日本ではごみを埋め立てる最終処分場の残余年数が現在20数年と言われています。一方、焼却施設は老朽化が進んでおり、焼却による環境への影響を考えると新たな施設の建設は現実的ではありません。そんな日本で、脱炭素社会の実現に貢献し、企業としての責任を果たすにはどうすればいいのか。その答えが、焼却によるダイオキシンやCO2を排出せずに、ごみを分解して処理する亜臨界水プラントでした。有機物の加水分解はバイオガス発生を促進させます。バイオガス発電には有効な設備です。

装置の特性としては省スペース性が上げられます。その気になればマンション一棟ごとに設置してごみ処理を行うことも可能なので採算性の高いプラントと言えるでしょう。しかし、「埋める」「燃やす」「切断する」という方法でごみ処理を行ってきた日本では、「分解する」という概念が定着していないため、大手企業で事業化しているところはほとんどありません。私たちはそこにチャンスがあると思っています。心強いのは、農水省が食品等のリサイクルの新たな展開を目指す手段として、亜臨界水処理技術に注目していること。導入が期待される分野の考察も進んでいるようなので、近い将来、市場規模が拡大する可能性は十分にあります。また、環境に優しく分別の手間もなく、発電にも活かせるので、ごみ処理に課題のある海外への提案も視野に入れて取り組んでいきたいです。

図

TorqueOnについて

経産省/NITE(ナイト)の「スマート保安技術」に認定された注目度の高い技術。

TorqueOnは、三和テスコが長年研究をし続けてきた装置です。ベルトコンベアローラのベアリングの損傷をいち早く検知する技術で、すでに特許を取得しています。ベルトコンベアのローラ及びベアリングは摩耗していくもので、それを放置すると火災が起こることもよくあります。コンベアは長い物ですと数キロメートルもあるので、人力での点検を行うものの、損傷にはなかなか気づけないで見逃しという問題がありました。しかし、ローラの軸にセットしたトルクセンサで回転力つまりトルクの変化を察知するTorqueOnは、大規模な工場や危険が伴う鉱山の現場でもベルトコンベアの点検精度を高めることができ、早期に損傷した箇所を発見できます。メンテナンスの合理化(DX)や人件費の削減などの効果も期待できると考えています。

現在商品化に向けて大手ユーザのご協力を得て、発電所や製鉄所で実証実験を重ねています。経済産業省/製品評価技術基盤機構(NITE)の「スマート保安技術」としての技術認定を受けることができ、2023年5月を機に注目度が高まり、大きなビジネスに成長する可能性を感じています。国内のコンベア部品のトップメーカーとタイアップし、商品化に向けて加速しています。いずれはベルトコンベアの需要が多い海外市場にも進出し、TorqueOnで広大な鉱山の採掘現場のベルトコンベアの安全管理を実現する。そんな夢も描いています。

今後の展望について

新事業で生まれる新たなビジネスチャンス。既存の製品・技術の価値も新たな市場で高めていきます。

3つの新事業で開拓した市場で、既存事業の拡大も狙っていきたいと考えています。
例えばポエックが開発した製品の一つに、窒素ガスの圧力を利用してタンク内の水を安定供給する消火装置「ナイアス」があります。現在の納入先は医療機関や福祉施設が中心ですが、亜臨界水プラントの消火設備としてや、TorqueOnの導入工場での消火設備としてもナイアスを紹介できるようになるかもしれません。また、亜臨界水プラントで生成される有機肥料を水耕栽培に利用するなどのシナジー効果も期待できると考えています。新しい市場は既存事業において新たなチャンスととらえ、グループ7社の連携を今まで以上に強めていく可能性を疑うことなく準備を進めていきます。

佐藤 宏之
経営企画部長
ご経歴

  • 1986年 4月

    野村證券株式会社入社

  • 2003年 4月

    同社 川口支店長

  • 2005年 4月

    同社 福山支店長

  • 2009年 4月

    同社 新宿野村ビル支店長

  • 2010年 12月

    髙木証券株式会社入社

  • 2015年 4月

    同社 常務執行役員 営業本部担当

  • 2017年 11月

    同社常務執行役員 「投信の窓口」本部長

  • 2019年 7月

    エイチ・エス証券株式会社入社

  • 2020年 6月

    同社 執行役員 ファイナンシャル営業本部長

  • 2021年 6月

    同社 上席執行役員 ファイナンシャル営業本部長

  • 2022年 5月

    当社入社 事業戦略室長

  • 2022年 11月

    当社 取締役事業戦略室長(現任)

  • 2023年 6月

    PBS株式会社取締役

  • 2023年 9月

    同社 代表取締役社長(現任)

株主配当のご紹介

18期連続で配当実施

18期連続で配当実施

株主の皆さまへの利益還元を
経営上の最重要課題の1つと考え、
成長と株主還元を両立しております。

2024年8月期(予想)

1株当たり配当金 43円

2024/8期は財務体質の安定に
配慮しつつ株主への還元を重視し
43円に増配する予想です。

グラフ